7月1日(日)夕刻1軒
秋葉原に「いすず」というラーメン屋が駅前にあった。このラーメン屋は、立ち食いのラーメン屋で秋葉原を訪れたことのある方は、一度はそのお店の行列を目にしたことがあるだろう。メニューは、並と大盛りのみ。スピーディーかつ安価な値段は、サラリーマンや学生たちの心をつかんでいた。その店は、常に列をなして並んでおり、秋葉原電気街の“名物”の1つとしてつとに有名であった。そのお店がある日突然、店を閉め移転することとなる。移転先は、東銀座。いまやトンコツの有名店一風堂や福のれんの進出でラーメン地図が一変した地域。いわゆるラーメン激戦区に殴り込みをかけたのだ。銀座エリアも相次ぐ有力店の進出で、老舗もうかうかしていられない状況となった。この「いすず」。なんと、こってりが、うりの元楽@東銀座、手打ちの実演を見せてくれるヤンヤン@東銀座、背脂アッサリ系の米沢らーめん 愛愛@東銀座の並びに店を構えている。少し先に行けば、福のれん、一風堂がある地域だ。これには、たまげた。なぜか。まず、「いずず」といえば、いまや枯れた味のどこからどう切っても、東京らーめん。(逆に新鮮さを与えるが)いくら秋葉原の行列店といえども客層からなにからまったく違う地域で果たして勝ち抜いていけるのか。TONNYは、それが不安である。この地域には、昔ながらの老舗の東京ラーメンも多数存在する。萬福、共楽、味助などは、昭和一桁、三十年代からやっている老舗だ。そこに、秋葉原で長年培ってきた味をぶつけている。
TONNYが入ったのは、夕方。正直平日の昼間や夕刻は、状態はみていない。ゆえに、正確な判断はできないが、お店に入って驚いたことは、ラーメンのほかに、餃子、ビール、カキ氷などメニューが豊富にある。今までの秋葉原でのスタイルを捨ててまで必死になっている姿が伺える。お店は、秋葉原当時、クーラーもないまま立ち食いのスタイルであったが、ここでは、テーブル席、カウンター席と結構お客さんが入るスペースがある。TONNYは、らーめん(480円)に半チャーハンを注文。
出てきたラーメンは、秋葉原のときの味そのままを受け継いでいる。(少し味が濃い目になったかもしれないが)どこか懐かしい郷愁を誘うほのぼのとした味だ。この味がかえって新しい。この後の展開を楽しみにしばらくこのお店の動向を注視しようとおもう。
いすず
最寄駅: 銀座
住所: 東京都中央区銀座4-10-14
2001年07月01日 20時37分46秒