2004年01月24日

人間の選択

「人間の選択」(角川選書)という本があります。
著者は、ノーマン・カズンズ。
アメリカのサンデーレビューの編集長をつとめた人でケネディの特使を務めフルシチョフを訪ねたなど桁外れに活躍したジャーナリストです。政治、文化、国に影響を与えた。
画像がなくてぶろぐにのせられませんが学生時代に読んで印象深いほんでした。
内容をかいつまんで印象あるところを引用します。

 第一章 教室としての20世紀

 ”人の一生の中で最も重要なのは体験の性質や範囲ではなくて、その体験から学びとったものである”

 ”一番重要な教訓と言えば、新しい選択(オープション)を創造し、その選択を行う能力こそ、人間の独自性の主要な要素の一つであるということである”

 ”人間の能力は必要に応じて成長する。人間が知的、精神的、哲学的に成長しえる限りは人間にはチャンスがある。しかし潜在能力には同時にコントロールという前提条件がついている。あることをする能力には、その行動が無謀に行き過ぎないように自制する能力が伴わなくてはならない”

 第2章 選択をはぐくむ学習

”闇が深ければこそ、星がみえる”

シュバイツッァー博士の学んだこと
”難しいことに出会った時、他人がそれを片づけてくれるとあてにするな”

”今までに見た苦しみが私に力を授けてくれ、人間仲間への信頼が未来の私の確信を支えてくれる”

 ジャワハラル・ネールの学んだこと
”旅を企てたら、目的地を見失わないことが大切”
”真の友情は稀なものだ。だからこそ、それは大切にはぐくまなくてはいけないんだ”
”官位が高ければ高い程、責任が重ければ重い程、孤独はいよいよ深い”

ロバート・F・ケネディの学んだこと
”重い責任に就く者の最大の特権は本当の知識を備え、その誠実さに頭のさがるような人々の援助を求めることができることだ”

アインシュタインの学んだこと:
”子供の好奇心によく注意を払え。そこにこそ、最も新鮮で最も貴重な知識の探求がある”

サミュエル・ジョンソン:
”誠実さの欠けた知識は危険千万な代物である”

プラトン:
”正義と無縁な知識は、知識にあらずして狡知である”


ノーマンカズンズ:
”本当の学習の1つのしるしは、ありとあらゆるものは知りつくせるものではないという事実をわきまえて、悠々と賢明に生きていく能力である。そういう人は、あることを知らなかったからといって、別に恥とは思わない。知る必要があれば、知る手段は十分に心得ており、答を評価することもできるからである”

”真の教養人とは自己の環境についての相当の知識を持ち、自分と周囲の人々の福祉のために適切な行動をとり、またある原因のもたらす結果を考慮し、予見することができ、原因への適切な対応に力を貸して、結果の制御を助ける人である”

”世界の大部分における教育の大きな失敗は、教育が人々に人類意識ではなくて、部族意識を持たせてしまったことである”

”教育の第一の目的は人が自分の思うことをはっきりと言い、それを相手に理解させ得るようにすることである。不明瞭な表現は美徳ではない”
 
”我々の社会が必要としているのは、社会の隅々にまでしっかりと感受性を回復させることである。教育の第一の目的は生に対する尊重の念を持たせることである。その問題に関連のある課目では人間の感受性の実相と、その感受性を洗練し、敏感にする必要、愛することの自然さとそれを強めたり、弱めたりする条件、人生の基本条件としてのプライバシーの権利、粗暴化のもとになる鈍感さを防ぐ必要などを教えなくてはならない”

”まず、手をさしのべて、一番近くにいる人の手を握ってやればいいのだ。そうすれば、たとえその他の人を助けることができなくても、少なくとも一人は助けたことになる”
 

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2004年01月16日

論語物語

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孔子とその弟子たちの物語を平易な言葉で綴っている。高校時代に読んで漢文を面白く勉強するきっかけとなった本です。人としての生き方。教育とは。教師とは。いまおきている様々な教育の問題に対して大きな示唆を与える一書と思う。

レビュー

出版社/著者からの内容紹介
湖人は生涯をかけて『論語』に学んだ。二千年以上も経た『論語』の章句を自由自在に使って、『論語』で養われた自分の思想を物語に構成したものが本書で、『論語』の精神を後世に伝えたい一念が結晶している。孔子と弟子たちが古い衣をぬぎすて、現代に躍り出す。その光景がみずみずしい現代語でたんねんに描かれている。孔子はすぐれた教育者であった。教育乱脈の今日の日本にとって、本書は万人必読の書である。(永杉喜輔氏「まえがき」より)

著者紹介
1884年佐賀県生まれ。作家,社会教育家。本名虎六郎。東京帝国大学文学部卒。大学時代には「帝国文学」の編集委員として文学評論に活躍。のち台北高等学校校長となったが、1931年教職を辞して上京,大日本青年団講習所長として青少年教育に従事。1937年ごろからはもっぱら文筆と講演の生活に専念した。1955年没。主著に『次郎物語』『教育的反省』他多数。

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2003年12月10日

こんな幹部は辞表を書け PHP文庫

この本も学生時代に読んだ本。最初は、昭和40年代に出版されたらしい。当時のベストセラーのようだ。私の所有している本とは表紙が違う。(イメージの画像は、改訂版)続編もでており、人気の高さが伺える。
この本は、だめな幹部像を浮き彫りにして、どのような姿勢で臨まなければならないのかとうことがわかりやすく具体的に記されている。いまでも色あせない考え方がのっている。
以下そのレビューと目次を載せておきます。

レビュー

出版社/著者からの内容紹介
自分で自分を磨く方法を知らない幹部は辞表を書け! 自分を伸ばす7つの方法を実践的に解説した、管理者教育のベストセラーを文庫化。

目次
第1章 目標指向力―幹部は「自分に荷物を負わせる人」である
第2章 方法発見能力―「できない理由」を前向きに考える
第3章 組織能力―部下が“困っている”ところを探す
第4章 コミュニケーション能力―即座に、こまめに、必要なところに伝える
第5章 動機づけ能力―部下に火をつけ完全燃焼させよ
第6章 育成能

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2003年12月04日

冬の鷹

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 この本は、200年以上前に江戸時代にわが国の近代医学の基礎を築いた「解体新書」(ターヘルアナトミア)を翻訳、出版するまで格闘する杉田玄白と前野良沢の話。この二人の生き方を対比させて描かれています。

 この二人対照的で特に前野良沢がオランダ語研究に没頭し、人体の解体とオランダの先進的な医療にであいターヘンアナトミアの翻訳をはじめるのですが、 出版にあたっては、二人の意見が相違。学究的な良沢は、学問は名声を得るために行うのではない、これからオランダ語をもっと極め、翻訳をもっと完全なものとしてから、出版すべし、としたのに対して、玄白は、学問の成果を世間に知らしめてこそ医学の進歩があるとして、出版に踏み切ってしまいます。

 後に、玄白は、出版したことにより多くの弟子を抱え、名声をえます。良沢は、生涯オランダ語の研究に没頭し、孤高の人生をおくることが描かれています。

この本を読む前は、単に教科書のみの知識でその背景や人の生き様までは汲み取れませんでした。この本を通して人としての生き方などいろんなものを10代のときに学んだ記憶があります。

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2003年12月03日

人材は「不良(ハミダシ)社員」からさがせ―画期的プロジェクト成功の奥義

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<出版社/著者からの内容紹介から引用>
人材を捜し出し、プロジェクト・チームを編成し、人材の魂の底からほとばしり出るものを大切にし、そしてマネジャーが邪魔しなければ、画期的なプロジェクトは成功する。組織の中で優等生的に育った良い子をいくら集めても、成功するものではない。本書は、企業や組織で働くすべての人の魂に語りかけ、ベンチャー精神を目覚めさせ、大仕事へとふるい立たせる。

心に残る書籍の2回目をやっと載せることが本の紹介がやっとできました。なかなかできないもんですね。汗)
この本は、大学生の1,2年生のころ読んだ記憶があり非常にインパクトを受けました。

今はもうあまり聞きませんが、市場を席巻したワークステーション開発の実話や大組織と新製品開発の矛盾が、具体的に分かりやすく描かれています。
今でも、この内容は決して色あせていないと思います。

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2003年10月16日

心に残る書籍 夏目漱石 「私の個人主義」

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心に残る書籍シリーズを少しずつですが紹介していきたいと思います。
学生時代に本をよく読んだが、そのうちの心に残る書籍の1つがこの夏目漱石の「私の個人主義」。
講演や座談の天才と呼ばれた漱石。その漱石の講演内容は時代を超えても色あせない哲学が根底にある。

この中には、「私の個人主義」「現代日本の開化」「道楽と職業」「中味と形式」「文芸と道徳」と夏目漱石の5つの講演が収められている。

その中でも学生時代に感銘を受けたのは、「私の個人主義」で学習院で講演をしたときの内容だ。他人本位を排し、自己本位の確立を訴え、こだわりをもって、苦しみながらも自分の足下を堀り鉱脈へぶちあたるまでやり遂げることの大切さとそして、権力、金力にもふれていてる。

文中では、論旨のまとめとして、
「1.自己の個性の発展を遂げようと思うならば、同時に他人の個性も尊重しなければならないこと。
2.自己の所有している権力を使用するならば、それに附随している義務というものを心得なければならない。
3.自己の金力を示そうと願うならそれに伴う責任を重んじなければならない。」としている。
更に、この3つを自由に受け楽しむためには、その3つのものの背後にあるべき人格の支配を受ける必要が起こってくる。」と述べています。

ちょうどこの本を読んだときに、学生で、講義内容も学生を対象にしていたこともあり、非常に強い印象を受けたことを覚えています。

Posted by toniyan at 12:16 | コメント (0) | トラックバック