2003年12月04日

冬の鷹

fuyunotaka.jpg
 この本は、200年以上前に江戸時代にわが国の近代医学の基礎を築いた「解体新書」(ターヘルアナトミア)を翻訳、出版するまで格闘する杉田玄白と前野良沢の話。この二人の生き方を対比させて描かれています。

 この二人対照的で特に前野良沢がオランダ語研究に没頭し、人体の解体とオランダの先進的な医療にであいターヘンアナトミアの翻訳をはじめるのですが、 出版にあたっては、二人の意見が相違。学究的な良沢は、学問は名声を得るために行うのではない、これからオランダ語をもっと極め、翻訳をもっと完全なものとしてから、出版すべし、としたのに対して、玄白は、学問の成果を世間に知らしめてこそ医学の進歩があるとして、出版に踏み切ってしまいます。

 後に、玄白は、出版したことにより多くの弟子を抱え、名声をえます。良沢は、生涯オランダ語の研究に没頭し、孤高の人生をおくることが描かれています。

この本を読む前は、単に教科書のみの知識でその背景や人の生き様までは汲み取れませんでした。この本を通して人としての生き方などいろんなものを10代のときに学んだ記憶があります。

Posted by toniyan at 2003年12月04日 13:10 | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?