最近のらーめんやは、新店にもかかわらず、レベルの高いお店も多い。しかし、老舗には老舗のよさがあり、「あー。あそこのらーめん。食べたくなってきたな。」と何度も通いたくなるらーめんやがある。らーめんのうまさは、作り手の想いと食べ手の好みが一致すること。どこか恋愛みたいなところがあるといつも感じる。作り手と食べての相性だ。
とにやんは、ここのらーめんやは何度もたずねている。とにやんとの相性は良い。一年の締めくくりとして、このお店に敬意を表し紹介したい。
ここのお店の名前は、来集軒。明治43年にらーめんやの元祖(いまのところ)といわれている来々軒の味とにているとかいないとかよく言われているところである。すでに元祖のお店はない。ゆえに本当のことかどうかは確かめようがない。
しかしながら、このお店のらーめんを一口すすると今はやりのらーめんとは一線を画す、ベテランならではの風格と深さを感じる。
久々にここに訪れる。店内に入ると相変わらず浅草らしいちゃきちゃきの下町のおばちゃんが店のオーダーをとり、猫背なおやっさんが奥でもくもくとらーめんを作っている。おやっさんはかなりの高齢だ。あと何回このらーめんが食べれるのだろうかといつも思う。
店内の壁にはさすが落語家の方の色紙が所狭しと張られている。大日本ラーメン党党首の菊蔵師匠のサインも当然ある。
やはり、定番のラーメンを注文する。ここのらーめんは(どこでもそうだと思うが)昼や夜でらーめんの味が変わってくる。当たり前のことだがスープを煮込んで行くうちに水分が蒸発されこくなる。とにやんは、夕方から夜にかけての味が好きだ。すんだスープはした処理を丁寧にしたことが素人のとにやんにも簡単に見てとれる。スープをすする。うまい。東京ラーメンの老舗。最高だ。麺をすするとうまい。とにやんは、ここの麺が大好きだ。なんともいえないほんのりとした甘みのある麺は、スープとよくマッチしている。うまいなぁ。メンマも甘く仕上げていてバランスがいい。しばれる寒さにもこころがほっとするらーめん。おやさんの人生が一杯のらーめんに凝縮しているそんならーめんだ。
来集軒
最寄駅: 浅草
住所: 東京都台東区西浅草2-26-3
TEL: 03-3844-7409
浅草演芸ホール近く
営業時間: 12:00~19:00
休日: 火曜
メニュー: ラーメン500円、ミソラーメン750円など