2003年11月07日

クローンをめぐる問題

General Assembly legal committee postpones cloning debate for two years


General Assembly legal committee votes on cloning
6 November – The United Nations today narrowly voted to postpone for two years debate on competing human cloning resolutions that had divided the General Assembly.

In an 80 to 79 ballot with 15 abstentions, the Assembly's Legal Committee approved a procedural motion from Iran, backed by 56 mostly Islamic States, that effectively put off a showdown on the two resolutions. Although both versions ban all human reproductive cloning, they differ on language referring to the treatment of human cells for other than reproduction.

The vote in the Legal Committee means neither resolution will get to the General Assembly for at least two years.

Michele Montas, spokesperson for Assembly President Julian R. Hunte of St. Lucia, had described the body as "divided" on the issue.

A Belgian draft, submitted with 13 co-sponsors, while banning all human reproductive cloning, calls upon States "to take action to control other forms of human cloning by adopting a ban or imposing a moratorium or regulating them by means of national legislation."

A draft sponsored by Costa Rica and 44 other countries bans all forms of human cloning.

In both cases the drafts are not meant to come to resolutions, but to frame the instructions to an ad hoc committee, which, in turn, would be charged with drawing up a resolution.(UN NEWS CENTER7 November 2003)

クローン人間禁止条約交渉2年先送り

 国連総会の第6委員会(法律)は6日、クローン人間禁止条約についての交渉を2005年の国連総会まで2年間延期する動議を、80対79のわずか1票差で可決した。

 禁止する範囲を巡っての意見対立が深まった結果、世界各国は、クローン人間禁止という合意済みの目的についても、条約策定の大幅な遅れを受け入れざるを得なくなった。

 この問題を巡っては、各国がクローン人間作成を禁止すべきだという点で一致している。しかし、医療目的のヒトクローン胚(はい)研究まで禁止すべきかどうかで、禁止すべきだとする米国やカトリック諸国など「全面禁止派」と、クローン人間禁止だけを優先すべきだとする仏、独、ベルギー、日本、中国などの「部分禁止派」で意見が対立。両派が、それぞれの立場を示した2つの決議案を提出していた。

 国際条約などについて審議する同委員会は、全会一致での決定を慣行としており、投票を行うこと自体、異例。このため、イスラム諸国会議機構(OIC)が同日、両決議案の採決を行う代わりに、交渉を2年間延期させる手続きに関する動議を提出。各国の賛否を問うたところ、賛成は日本、仏、独など80か国、反対は米国、スペインなど79か国、棄権15か国で、わずか1票差の小差で動議が承認された。

 米国のカニングハム次席大使は投票後、「極めて残念な結果。医療目的のクローン研究を放置できない」と述べ、これまでの立場の継続を強調した。委員会関係者によると、米国など全面禁止派が本会議での再協議に持ち込む可能性は「法的にはあるが、政治的には難しい」という。 (2003/11/7/12:08 読売新聞)

この問題は、かなり前から議論されている問題でどのようにガイドラインを引くか非常に難しい問題だ。各国の倫理観を含め考え方が違うところをどのようにまとめるか。各国が議論をかなり重ねている。国連の場で80、79との僅差で2年延期とは、残念だが、肝心の禁止する範囲をどこまでかけるかという根幹の部分で折り合いがつかなかったようだ。

読売新聞のいうクローン人間の定義がどこまでを指すのかわからないが、もしこの定義が純粋にクローン人間だけを指すのであれば本当によいのだろうか。クローン技術を駆使すれば、人間と動物を掛け合わせた創造物キメラや人間とのハイブリットなどが簡単にできてしまう。日本の法律では既にこの手のものは、全て法律で禁止されているが、もしキメラやハイブリッとまで定義されていないのであれば国際間の協調や早急な議論と結論を得ることが必要ではないか。

一方で、クローン技術の応用で医療も大幅に変わるとも言われている。大怪我をした場合の皮膚や内臓の再生医療などによる拒絶反応の無い医療が見込まれることもたしかだ。ガンなどにも臓器をそっくり新しいもの(再生し)と入れ替えてしまうということも考えられる。また、難病治療にも期待されている。

記事の中ででてくる人の胚研究とは、簡単にいうと受精卵のこと。ES細胞のことは、触れていないがおそらくここでは、ES細胞の部分も含まれていると思う。ES細胞とは、受精数日後に受精卵内部から取り出して培養した細胞で万能細胞とも呼ばれる。なぜかというと理論上、その細胞の成長の過程で様々な条件が加わることにより、あらゆる臓器、組織へと分化し形を変えていく。ここの研究をすすめるか。進めないかということだ。
今後の医療を考えれば、フランス、ドイツをはじめ日本を含めてここまで禁止する必要はないだろうとの考え方だ。

個人的には、クローン人間、ハイブリッド、キメラが出来る可能性のある部分を十分に厳格に禁止できるのであればよいかと思う。もしかりに、クローン人間が人工的に出来てしまった場合の倫理や道徳問題、あるいは国によっては宗教上の問題にも発展する可能性もある。また、ハイブリッドやキメラ、クローンが出来た場合、人権(?)問題などにも発展するだろう。本人たちは望んでうまれてきたわけでもないのにだ。

医療の進歩には、この分野で必要な研究の部分はあるかと思う。ただし、実用化段階にいたっては、慎重に慎重を重ねる必要があり、関係各方面と十分な議論が必要になってくるとおもう。当面は、国連の議論を見守っていきたい。

Posted by toniyan at 2003年11月07日 12:58 | トラックバック
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